日常の喧騒から離れ、大地のエネルギーに癒される熊本・阿蘇の旅。今回は「阿蘇山の噴火口が見たい!!! 」を叶える〝中岳火口見学〟について、地球の鼓動を感じる火山写真とともに掘り下げていきます。
▲前回記事でも、おすすめドライブスポットとして〝中岳火口見学〟を紹介しました
阿蘇山の噴火口ってどこにあるの?

前回記事〈熊本 阿蘇くじゅう国立公園エリアをぐるっと! 爽快ドライブスポットまとめ〉でも触れた内容になりますが、〝阿蘇山〟の定義を簡単にざっと説明すると…?

いったい、どの山が阿蘇山なの?
A. 阿蘇山という単独の山は存在しません。九州を代表する景勝地である〝阿蘇山〟は阿蘇五岳[ 根子岳, 高岳, 中岳, 烏帽子岳, 杵島岳 ]を中心とする連山と、さらにそれらをぐるっと取り囲む外輪山や火口原も含めた総称を指します。

うーん…。
阿蘇山という山がないなら〝阿蘇山の噴火口〟はどこにあるの?
A. 阿蘇五岳のひとつ、今回ご紹介する《中岳》の火口がいわゆる〝阿蘇山の噴火口〟にあたります。現在も活発に噴煙を上げる中岳は、7つの火口を持つ活火山です。
〈第1火口〉〜〈第7火口〉と呼ばれる火口のうち、一番大きくて現在最も噴気活動が活発な〈第1火口〉が〝阿蘇山の噴火口〟に代表されます。
阿蘇中岳 火口見学するための条件や注意点など

中岳の火口見学をするためには、立入規制が解除されている状態であったり、火山ガスの発生状況や天候、自身の健康状態など、安全確保のためのすべて条件をクリアしている必要があります。
〝噴火警戒レベル〟による立入規制あり

噴火警戒レベルとは〝火山活動の状況に応じて《警戒が必要な範囲》と《とるべき防災対応》を5段階に区分した指標〟のことで、阿蘇山(中岳)では次のように段階分けされています。
例えば、噴火警戒レベルが[1]のときは、十分に〝活火山であることに留意〟する必要はあるものの、火山活動自体は〝静穏〟な状態を指すため立入規制は解除 → 中岳火口を見学できます。
※火山ガスの発生状況に応じて、立ち入りゾーンが一部制限される場合もあり。
続いて、噴火警戒レベルが[2]に上がると、火口から1km以内への立入が禁止されるため、中岳火口見学はできないことになります。火口の規制状況については、事前に阿蘇火山火口規制情報からチェックしておきましょう。
〝見学者の健康状態〟による立入規制あり
中岳火口では常に有害な火山ガスが発生しているため、ぜん息・気管支疾患・心臓疾患・体調不良の方は見学できません。安全確保のため、状況に応じてさまざまな規制が設けられています。
このように条件が限られている場所だからこそ、見学できるタイミングに訪れられるのは貴重な体験。阿蘇旅ではぜひ押さえておきたいスポットのひとつです😊
中岳火口まで有料道路を走る? 無料遊歩道を歩く?


見学できる条件が揃ったら、どうやって火口まで行けばいいの?
ダイナミックな地球を感じられる〝阿蘇中岳火口見学〟ですが、見学そのものに料金はかかりません。

ただし、火口までの有料道路〈阿蘇山公園道路〉を通行する場合(※自転車は無料)は、通行料が必要です。料金の詳細は阿蘇市ホームページをご確認ください。
なお、〈阿蘇パノラマライン〉は通行料がかからず、そのまま料金所手前の〈阿蘇山上ターミナル〉まで行くことができます。そこから駐車場に車を停め、遊歩道を歩いて火口を目指すことも可能です。有料道路〈阿蘇山公園道路〉を使わなければ、見学自体は費用をかけずに楽しめます。
中岳の火口周辺は《A〜Eゾーン》に分かれてるよ

有料道路を利用しても、無料の遊歩道を歩いても、まず最初に到着するのは駐車場のある[Cゾーン]。いよいよここから、中岳の火口見学が始まります。
※《Aゾーン》は常時立ち入り禁止エリア。

火口周辺をてくてく歩き始めると、すぐに上空をヘリコプターがぐるぐる飛び回っていることに気づくと思います。最初は「噴火口を監視しているヘリかなぁ? 」と思ったのですが、実はこれ〝ヘリコプター遊覧飛行〟の観光ヘリなのです👀

とはいえ、地上からの迫力もすごいから、まずは自分の足で、ゆっくり火口を感じてみるのもいいよね。
《Dゾーン》雄大な景色を一望できる展望所(兼 待避壕)

駐車場のある《Cゾーン》を出て左手(北の方角)へ進むと、展望所(兼 待避壕)のある《Dゾーン》に到着します。

これまで走ってきた有料道路を横目に、なだらかな斜面をゆっくりと上がっていきます。この時点でも、すでに〝火山感〟〝地球感〟がすごくて感動…!!!
展望台からは火口を直接見ることはできませんが、視線の先には中岳山頂周辺、草千里ヶ浜、烏帽子岳、杵島岳などの雄大な景色が広がります。ぐるりと見渡すだけで、「ああ、阿蘇に来たんだなぁ。」と実感できます。


ズームで撮ってみると、こんな感じで断層をはっきり捉えることもできます。その断層の存在感と迫力は圧巻で、目の当たりにすると惚れ惚れしてしまうほどです。




《B-2ゾーン》退避壕群と〝火口がいちばんよく見える〟エリア

展望所のある《Dゾーン》を後にしたら、いったん駐車場のある《Cゾーン》まで戻ります。すぐ前にある〈火の国橋〉を渡ると、そこは退避壕(シェルター)がぽこぽこ並ぶ《B-2ゾーン》です。


万一の事態には、この待避壕に逃げ込むことになるため、すべてのシェルターにヘルメットが常備されています。こうした光景を見ると、やっぱり阿蘇山は現役の活火山なんだなぁと再認識させられます。


待避壕が並ぶエリアを通り抜けると、ついに中岳の噴火口が見えてきます。公式のパンフレットによれば、この《B-2ゾーン》がいちばん火口をよく見渡せる場所とされています。
実際に見学してみても、〈第1火口〉〜〈第7火口〉のうち現在もっとも活発な活動を見せている〈第1火口〉の壮大さに、いちばん圧倒されました。まさに〝活きた火口〟という言葉がふさわしく、今回はさまざまな条件が揃ったおかげで、こんな貴重な体験ができたことにとても感動しました😊
《B-1ゾーン》旧火口群が見渡せるエリア

《B-2ゾーン》は最も規模が大きな〈第1火口〉のすぐ前に位置していますが、《B-1ゾーン》はその奥に広がるエリアです。見学経路としては一体的になっているため、これらをまとめて《Bゾーン》と認識してもよさそうです。

《B-1ゾーン》からは〈第3火口〉〜〈第7火口〉を見ることができます。これらの火口からは特に噴煙は上がっていませんが、静けさの中にも強烈な〝地球感〟や〝大地感〟を感じることができます。



《Eゾーン》噴気音も聞こえる?! 新見学エリア

《Eゾーン》は2023年に新たにオープンした見学エリアで、特別な条件下でのみ開放されます。具体的には、火山ガス規制などにより一般見学エリアである《Bゾーン》へ立ち入れない場合、かつ《Eゾーン》が基準を満たしているときが該当します。
火口を最も近くから見ることができるという《Eゾーン》では、なんと噴気音まで体感できるとか! これまでは、火口見学ができる日は年間の約6割ほど。それが《Eゾーン》の誕生によって、約8割まで増える見込みだそうです。

今後は、火口見学のチャンスもぐっと広がりそうだね😊

目の前に阿蘇山! 星空も楽しめる宿: 休暇村 南阿蘇

前回記事でもご紹介した〈休暇村 南阿蘇〉は、阿蘇五岳の〈烏帽子岳〉〈中岳〉〈高岳〉〈根子岳〉を真正面から望むことができる絶景宿です。
※南阿蘇側からは〈杵島岳〉は見ることができません。
なかでも〝パワーテラス南阿蘇〟からの眺めは圧巻。朝、日中、夕暮れと、時間帯によって山の表情ががらりと変わるのも大きな魅力です。さらに、晴れた夜には駐車場から星空鑑賞も楽しめます。私が訪れた日には流れ星を見ることができました。

ひとつだけだったけど、嬉しかったね!
▲星空も、火口も、スタジアムも。バランスの良い8倍。

建物にはやや年季を感じるものの、阿蘇山頂へのアクセスも良く、大自然を存分に味わうにはこれ以上ないロケーションです。

阿蘇を訪れた際には、ぜひ体験したい〝阿蘇中岳火口見学〟。そして今回、特に印象的だったのが外国人観光客の多さです。火山の雄大な景色の中で、さまざまな外国の言葉が飛び交う光景は、まるで海外にいるかのような感覚で、少しお得な気分になりました😊
景色だけにとどまらず、そんな非日常の光景を味わえるのも、中岳火口見学の魅力のひとつ。日常から少し離れて、こうしたスケールの大きな世界の中で大地の力に癒される旅も良いものだなぁと感じました。



