「どの山が阿蘇山? 」ー 阿蘇を訪れるには無知すぎる質問から始まった熊本阿蘇の旅。世界最大級の巨大なカルデラを持ち、現役の活火山でもある阿蘇山。大自然の中を駆け巡るドライブはまさに爽快そのもので、ライダーの聖地と呼ばれるのも納得のスケール!
今回は、実際に訪れてみて本当によかった〝阿蘇くじゅう国立公園エリア〟のドライブスポットをぐるっとまとめてご紹介していきます!
阿蘇山ってどの山のこと?
阿蘇に到着後、まず頭に浮かんだのは「いったい、どの山が阿蘇山なの? 」という素朴な疑問。例えば富士山のように、どれかひとつの山を〝阿蘇山〟と呼ぶものだとずっと思っていました。
結論、阿蘇山という単独の山は存在しません。九州を代表する景勝地である〝阿蘇山〟は阿蘇五岳[ 根子岳, 高岳, 中岳, 烏帽子岳, 杵島岳 ]を中心とする連山と、さらにそれらをぐるっと取り囲む外輪山や火口原も含めた総称を指します。
火山活動によって生まれた大きな窪地のことをカルデラ、そのカルデラの縁にあたる山を外輪山と呼びます。外輪山の視覚イメージとしては、もんじゃ焼きの土手のような感じでぐるっとカルデラの周りを囲っています。世界最大規模とされる阿蘇の外輪山の大きさは、なんと! 南北約25km、東西約18km、周囲約128㎞もあります。
これらを知ってさらに驚いたのが、現役の活火山である阿蘇山のカルデラの中に立派に街が形成されていて、約5万人もの人々が生活をしている事実…! かく言うわたしも「絶景だなぁ〜☺️」と、カルデラの中に宿泊したひとり。よくよく冷静に考えてしまうとなんだか不思議です。
〝カルデラ湖〟という言葉を耳にするように、通常カルデラは海底にあったり湖になることが多いそう。カルデラの中で人々が暮らしを営むことは世界的には珍しく、熊本県の阿蘇地域はその代表的なまちとして広く知られています。
〈阿蘇くじゅう国立公園〉2県をまたぐ広大な敷地と大自然!
-出典: 阿蘇くじゅう国立公園 – アクセス・施設|環境省
〝阿蘇山〟の定義からもわかるように、阿蘇はとにかくビックスケールで、今回のドライブの舞台となる〝阿蘇くじゅう国立公園〟も例外ではなく…。
大分県と熊本県にまたがる広大な敷地[726㎢]を擁する〝阿蘇くじゅう国立公園〟は、九州のほぼ真ん中あたりにある巨大な公園。なお、関係する行政区域は13市町村にも及ぶため、もはや公園というより〝エリア〟と呼ぶほうがしっくりくる感じですね😊
〈休暇村 南阿蘇〉目の前に阿蘇山を望める絶景宿
今回の阿蘇ドライブは〈休暇村 南阿蘇〉、阿蘇郡高森町(阿蘇くじゅう国立公園内)からスタート!
休暇村 南阿蘇のロケーションは最高で、阿蘇五岳の〈烏帽子岳〉〈中岳〉〈高岳〉〈根子岳〉を真正面から並んで望むことができます。中でも、2階にある〝パワーテラス南阿蘇〟からの景色は圧巻です。
※南阿蘇側からは〈杵島岳〉は見ることができません
〈南阿蘇パノラマライン展望所〉南阿蘇全体を一望できる!
〝阿蘇パノラマライン〟とは、阿蘇カルデラ中央にある中岳山上へと駆け上がる阿蘇登山道路の別名で、北・南・西から中岳山上へ上る3つのルートがあります。
▲Wikipediaに掲載されている起点・終点をGoogleマップに反映させました🚗
2021年に完成した〝南阿蘇パノラマライン展望所〟は、南阿蘇から中岳山上をつなぐ南ルート[吉田線(南登山道)]途中にある絶景新名所。県道111号のヘアピンカーブに位置するこの場所からは南郷谷と外輪山を一望できます。
今回の写真は広角24mmのレンズで撮影したものの、この大パノラマの景色は「もっと広く、超広角で切り取りたい!!! 」と思いました📷
[吉田線(南登山道)]をドライブする際は是非とも立ち寄っておきたい場所です。
※大型車は駐車できません…
南阿蘇パノラマライン展望所 – Minami-Aso Panorama Line Observation Deck
〒869-1505 熊本県阿蘇郡南阿蘇村中松
〈中岳火口見学〉地球を感じられる非日常の光景
せっかく阿蘇に来たからには「阿蘇山の噴火口が見たい!!! 」。前述のとおり阿蘇山という山はないため、阿蘇五岳のひとつ〈中岳〉の火口見学がそれにあたります。
中岳火口付近はひときわ〝火山感〟も強く、まるで日本ではないどこか外国に来たかのような感覚に陥る…。さらに、大地や地球を感じられる非日常すぎる光景をはじめ、ここでも阿蘇のスケールの大きさ、空気感に触れることができます。
中岳の火口見学をするためには、立入規制が解除されている状態であったり、火山ガスの発生状況や天候、自身の健康状態等の諸条件がすべて整っている必要があります。さまざまな条件が揃った折には、是非とも一度は訪れておきたい外せないスポットといえます。
▲特集記事にまとめました!
〈草千里ヶ浜〉冬晴れの日は微妙…?! 訪れる季節選びも重要!!!
阿蘇といえば、、〝草千里ヶ浜〟を思い浮かべる方も多いはず…!!! 阿蘇を代表する観光地のひとつ草千里ヶ浜は標高約1,100mの高さに位置する、阿蘇五岳〈烏帽子岳〉の北麓に広がる大草原です。
『青々と鮮やかに輝く雄大な草原、きらきら青空を反射する2つの池、放牧された馬たちがのんびり歩く、まるで映画のワンシーンのような…。』
訪れたのは12月初旬なので、緑の草千里ヶ浜を見られないことは知りつつも、、個人的には冬に訪れる(雪化粧している場合を除く)のはおすすめできないかもと思いました。まず、池がないというかもはや干からびてしまっている、馬がどこにもいない現実。。😇
他の景色に関しては広大であるがゆえ、黄金色に輝く冬の草原も魅力的、澄んだ空気のおかげで視界がクリアな点も嬉しかったりするのですが…。
草千里ヶ浜を旅の目的や目玉とする場合は「とにかく緑の季節に行きましょう🐥!!!! 」というのがリアルな感想でした。ただ、草千里展望所からは、阿蘇の外輪山や米塚、カルデラ内の街を一望することができるので、立ち寄って損はないです😊
大草原だけ、期待値を少し下げておこう…ってことかな?
草千里ヶ浜 – Kusasenrigahama
〒869-1505 熊本県阿蘇郡阿蘇市 草千里ヶ浜
〈阿蘇パノラマライン[坊中線]〉ライダーにも人気の爽快絶景ロード
前述の〝南阿蘇パノラマライン展望所〟は、阿蘇パノラマラインの南ルート[吉田線(南登山道)]にありましたが、現在〈中岳火口〉→〈草千里ヶ浜〉と順に降りてきているので、ここからはJR阿蘇駅まで、絶景の中をひたすら下っていくことになります。
逆に、、山頂まで駆け上がるプランも良いよね!!
北・南・西から中岳山上をつなぐ3つのルートのうち、今回走るのは、外輪山を遠目に広大な草原の中を駆け降りる北ルート[坊中線]。カルデラ内にそびえる、お椀を伏せたような形の米塚、眼下に広がる街並みや田園風景、澄んだ青空と絶景を眺めながらのドライブは疾走感があってとても気持ち良い😊
日本百名道にも選ばれている〝阿蘇パノラマライン〟は阿蘇を訪れたら是非とも走っておきたい絶景ロード!!!
阿蘇を代表する〈米塚〉は、静岡県伊東市にある〈大室山〉と同じタイプの〝スコリア丘〟* です。
*: 火山噴出物(しぶき)の一種であるスコリアが降り積もってできた、お椀を伏せたような形の小さな丘のこと
〈JR阿蘇駅・道の駅 阿蘇〉レトロかわいい車両に出会える!
JR阿蘇駅には〝道の駅 阿蘇〟も併設していて休憩するにもぴったりな場所です。道の駅 阿蘇では新鮮な野菜や果物といった地元特産品はもちろんのこと、手作りパンやおやつも販売されています。
建物内にイートインの休憩スペースもあるので、すぐに暖かい場所で景色を見ながら食事することもできます。(サンドウィッチとシフォンケーキとお饅頭を食べたよ)
電子レンジを自由に使えるのも嬉しいよね!
そして、阿蘇駅を発着する電車たちがレトロかわいいのも、電車や乗り物好きには堪らなく嬉しく楽しいポイント。あらかじめ時刻表を確認しておいて、待ち時間ができてしまう場合には休憩スペースで時間を潰すのもひとつの手かなぁと思います。
〈フォトスポットとるぱ [湯浦パーキング]〉3分でも立ち寄りたいパーキング
阿蘇外輪山の最高峰、標高936mに位置する〝大観峰〟。阿蘇を代表する絶景展望台の目と鼻の先に〈フォトスポットとるぱ [湯浦パーキング]〉があります。
大観峰を訪れることができれば勿論ベストなのですが、時間の都合等やむを得ず諦める場合、この[湯浦パーキング]もしくは、同じ国道212号を少し下った場所にある〈フォトスポットとるぱ [山田パーキング]〉へ立ち寄ることを強くお勧めします!
どちらも展望パーキングなのでサクッと車を止めて、気軽に景色を楽しむことができます。ぜひ3分でも良いので阿蘇カルデラの絶景に癒されておこうー😊
実際に3分の滞在時間だったけど満足度高かったよ
また、大観峰からの象徴的な眺めとして知られる〝阿蘇の涅槃像(阿蘇五岳が《お釈迦様の仰向けの寝姿》に見えることから由来)〟も、[山田パーキング]から見ることができるので、余裕があれば両パーキングに立ち寄るのも良いかもです!
▲[湯浦パーキング]は大観峰を少し上がったところ、[山田パーキング]国道212号を少し下った場所にある
〈城山展望所〉真正面に〝阿蘇の涅槃像〟と田園の絨毯!
阿蘇と湯布院を結ぶ〝やまなみハイウェイ[県道11号]〟もまた日本百名道に選ばれる絶景ロードのひとつ。真正面に阿蘇の涅槃像、そして田園がまるで絨毯のように広がる光景は、阿蘇からやまなみハイウェイに入ってすぐの〝城山展望所〟から見ることができます。
標高748mに位置する城山展望所にはレストハウスもあり、ゆっくり休憩すると同時に絶景を堪能することもできます。さらに、時間帯によっては阿蘇五岳に沈む夕日や美しい夕焼け空など、ドラマチックな光景にも出会える贅沢な場所です。(大量のみかんも売っていた)
写真を撮影していたときは〝阿蘇の涅槃像〟をまったく意識していなかったのですが、一度寝姿に見えてしまったからには、もう寝ているようにしか見えなくなるという…👀
以上、、実際に訪れてみて本当によかった〝阿蘇のドライブスポット特集〟いかがだったでしょうか…🙃? 阿蘇は全体的にスケールが大きいので、パーキングや展望所、駅など、無料で行けるスポットにも絶景が溢れています。
個人的なプチ反省点は「ドライブ中に見つけた展望所にもっと立ち寄ってみればよかった! 」。道中には〝ちょっとした展望所〟が思いのほかたくさんあるので、面倒がらずに3分だけでも立ち寄って深呼吸してみると良いかもしれません🌲🌳
日常の喧騒から離れて大地のエネルギーに癒される〝阿蘇ドライブ〟。ほんの少しでも「気になるかも」という場所があれば、ぜひいつかの旅程に組み込んでみてくださいな😊♡