今回の内容は、前回記事〈忍者レフミニはトラベルフォトに有効なのか実際に検証した結果…〉でお伝えしきれなかった〝飛行機からの撮影[夜間編]〟の続編、番外編的なお話。これまで窓の映り込みによって諦めてきた〝飛行機からの夜景撮影〟の念願が叶ったあと「どんな気づきがあったのか? 」など、撮影体験記です。
▲忍者レフミニのファーストインプレッション、
〝飛行機からの撮影[日中編]〟についてはこちらも併せてどうぞ!
飛行機からの夜景撮影は諦めなくていい!
これまで、夜の時間帯に飛行機に乗る機会が多くなかったこともあり、「目に焼き付けておけば大丈夫ー」と諦めてきた夜景撮影。
忍者レフをはじめとする〝反射を防ぐアイテム〟の存在は何となく知りつつも「わざわざ何か道具を使ってまで撮影するのは大袈裟な気がする…」と躊躇していました。でも今は「飛行機からの夜景撮影は諦めなくていいんだよー。難しく考えることじゃないよー😊 」と声高らかに言える。搭乗機会が少ないならなおのこと、記念に撮影しておきましょう!
「〝窓の反射を防ぐアイテム〟を使って撮影してみる! 」と決めてから、最終的な候補として残ったのが、今回使用した〈忍者レフ〉と、窓に密着させて反射を防ぐ〈ラバーフード〉、布地を吸盤で窓に貼り付けて遮光する〈レンズスカート〉の3つでした。
そして、色々なレビューを参考にしながら自分なりに調べ進めてみると、、
- 機内からの撮影に忍者レフを使っている人が圧倒的に多い
- → ボーイング787の窓の規格に合わせた製品も販売されている…!
- → なんと、その製品を航空写真家さんも使っている …!!?
ここに辿り着くまで実に容易な道のりでした(もはや常識らしい…)
加えて、レンズへの着脱がスムーズであったり、物撮りなど他の用途にも活かせる点も決め手となって「もう絶対忍者レフだな! 」と確信を得ることに。
どちらかというと、前述の〈ラバーフード〉や〈レンズスカート〉は飛行機からの撮影用途よりも、水槽越しの撮影や展望台などから景色を撮る際に使われやすいのかなーという感じでした。
ここからはメンタル的な懸念点として、もし忍者レフを大きく広げて撮影することを躊躇しているとかであれば、飛行機では何も心配することないです。
夜間のフライトなら尚更、窓の外の景色に皆そんなに注目していない…。自分が思うほど、周囲の人たちは飛行機から見る夜景に強い気持ちを持っていないのかもと思いました。(そんな強い気持ちのある方は窓際に座ってるね)
むしろ、夜間こそ人目を気にすることなく堂々と忍者レフで撮影できるので気が楽かも…。機内も薄暗くなっているし、みんな周りに無関心なものでした。
せっかく窓際の席を押さえていて、夜景や夕焼け空、マジックアワーを写真に収めたい気持ちがある人(昔の自分含む)は、「わざわざ…」とか「人目も気になる」くらいであれば、そこを飛び越えるのは案外簡単です。
夜景撮影のために〝どのタイプの忍者レフ〟を使ってみる?
忍者レフの概要を一言で説明すると〝ガラスへの撮影者及び室内光等の映り込み防止用アイテム〟です。忍者レフ本体をレンズに装着した状態で、黒い面を被写体に向けて撮影することで映り込み防止効果を発揮してくれます。
それでは、撮影の目的別にどの忍者レフが合いそうか検討してみましょう!
- トラベル用途の総合力: 〈忍者レフミニ[φ35cm]〉
- 個人のトラベル用途においてはφ35cmというサイズがとにかく絶妙…!
– 関連記事: 忍者レフミニはトラベルフォトに有効なのか実際に検証した結果…|RBNTO - 飛行機の窓のサイズに対し高さが足りない点は、窓のシェードを途中まで下ろすことで対応できるので最小装備としては十分。 物理シェードが付いていないボーイング787については、あとの2つの製品をご参考に😊
- 飛行機や宿泊先の客室の窓から夜景撮影する程度: 〈忍者レフ[φ50cm]〉
- 人が集まったり行き来する場所、車の助手席などで撮影しないのであれば、φ50cmほどの少し大きめが安心かも…
- トラベル用途だけでなく室内で物撮り(メルカリなども! )する方は特に、φ35cmよりはφ50cmの方が重宝しそう
- φ50cmおすすめの理由は、、ボーイング787の窓には物理シェードがなく、窓のサイズも大きい(おおよそH47 x W28cm)ので、飛行機からの撮影用途ではφ45cmの忍者レフは自ずと候補から外れるため(φ45cmは中途半端な位置付けになってしまう)
- LCCなどシートピッチが狭い機体の場合、前後どちらかの席にチラッと「コンニチハ! 」する可能性もある
- 客室から夜景を撮影する場合は、〝室内のライトを消して真っ暗な状態で撮影すること〟や〝レンズを窓に極力近づけて撮影すること〟の方が忍者レフを使う以上に大切になる(角度をつけたときや、部屋の明かりを消せない状況のときに忍者レフが役立つよ)
- 飛行機に搭乗機会が多い +飛行機からの撮影に力をいれたい: 〈忍者レフ 787[H55 x W40cm]〉
- 航空写真家の方も愛用するほどなので、まず間違いない! …はず
- φ50cmサイズは横幅が少し大きいので機材によっては前後どちらかの席に「コンニチハ! 」する可能性もあるため、よりスマートに撮影したい +絶対に映り込みをしたくない +失敗できない方は飛行機の窓の形状に特化した縦長の〈忍者レフ 787〉を!
ちなみに、もしも私が〈B787 x 夜便〉に搭乗することがあれば、現在使っている忍者レフミニに黒いマスキングテープか何かで黒い何かを取り付けて高さを出せないかまず試してみようと思ってます。 今後のことはそれから考えてもいいかなーとか😊(そんなに機会もないだろうし…)
第一関門の〝映り込み〟を突破すると待ち受けていること
第一関門の〝映り込み〟については、忍者レフを使うことで簡単に解決できてしまいます。ここをクリアしなければ撮影方法を考えることすらできないので、やっとスタートラインに立てる嬉しさもあります。
さて、最初の難関をクリアしたその先に待ち受けているのは、、〝どこまで問題〟です!
- ノイズをどこまで抑えつつ明るさを確保できるか
- シャッタースピードはどこまで稼げるか
- F値はどこまで上げられるのか
飛行機からの夜景撮影について、経験値はヒヨコ🐥ですが、実際に撮影してみて気付いた点など体験談としてご参考いただけたら嬉しいです。
まず、撮影を終えて一番に思ったことは「結局、高感度耐性に優れたカメラが勝つんだろう…。」でした。ほんと元も子もない話ですが、ここまで高性能カメラがものを言うと感じたのは初めてでした。
上記の〝どこまで問題〟の中で一番重要になってくるのは、〝ノイズをどこまで抑えつつ明るさを確保できるか〟。いくら夜景といえども最低限の明るさは確保したい…。三脚を使えない飛行機からの夜間撮影において、高感度カメラに軍配が上がるのも納得です。
次に〝シャッタースピードはどこまで稼げるか〟ですが、これも同様に、[ボディ内手ぶれ補正に優れたカメラ]+[レンズ内手ぶれ補正搭載レンズ]という最強の組み合わせがあれば、シャッタースピードを稼ぐ以前に、スピードが遅かったとしても手ぶれしづらくなります。
最後に…〝F値はどこまで上げられるのか〟。F値は気持ち的にはもう少し上げたかったけど、どうしても明るさは譲れなかったため、結局ほぼすべて開放で撮影しました。この条件下でのレンズ選びは、明るければ明るいレンズほど良しとなってくるので、出来るだけF値の小さい単焦点レンズを装着します。
総評として、飛行機からの夜間撮影に限って言えば「結論、カメラ本体やレンズ自体のスペックがものを言うのでは…? 」という悲しい結果に。
…ですが、RBNTO、、この過酷な状況下に[ボディ内手ぶれ補正なしフルサイズミラーレス]+ [手ぶれ補正非搭載F1.8レンズ]という軽装備で果敢に挑んできました!
厳しい条件下で試したこと・悪あがき
装備は[Canon EOS RP]+[RF50mm F1.8 STM]。普段は身軽な装備で気に入っているのですが、三脚が使えないこの状況下では少し心配なスペックでもあります。
レンズはこれくらいの明るさがあれば十分と思いつつ、F1.2あったらなぁというのも本音。 画角については50mmで問題なしでした。
F値は基本すべて開放。 ISOはオートで6400を上限に設定。 ノイズを恐れるあまり、離陸直前までISO3200を上限に設定していたのですが、「このままではシャッタースピードが地獄の遅さになるかも! 」と思い、慌ててISOを上げたのは正解でした💦
離陸からしばらくは普通にシャッターボタンを押していたのですが、途中からタイマー撮影(2秒)に変更。三脚も使えない厳しい条件のもとで、〝シャッターを押す動作による手ブレのリスク〟を抑えるため、、せめてもの悪あがきです。 タイマーが作動したらすぐに、息を止める勢いで脇をしめてカメラを構える…という原始的な手段で、手ブレに挑みました。
ただ、手ブレをいくら抑え込めたとしても、飛行機自体が動いているので、ある程度のシャッタースピード(SS)は確保しないと光がのびてしまうので注意です。手ブレを防ぐ最低限のSS目安は〝1/[焦点距離]秒〟…とよく聞きますね。(50mmレンズなら1/50秒だけど、個人的にはプラス10秒は欲しい😢)
次の機会があれば、もう少しISOを上げてみるか、F1.2〜1.4あたりの明るいレンズをレンタルするとか、いろいろ試していきたいなぁと思いました。せめてレンズだけでも手ぶれ補正が付いていれば…😌
今後も改善の余地はたくさんありますが、ひとまず、飛行機から夜景を撮影できたというだけでも自分としては満足度が高いです。
飛行機からの夜景撮影は難易度も高い分、いろいろ奥深くて刺激もあり楽しい時間でした。機材のスペックによる差が顕著にあらわれがちな分野ですが、できる範囲で工夫しながらアップデートしていけたらなと思います😊